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デザイン出願人の権利獲得のための手続上の便宜を提供することを目的とするデザイン保護法改正案が、2023年 5月 25日国会本会議を通過した。

現行デザイン保護法には、次のようにデザイン権者の権利保護を難しくする項目があった。

(1) 基本デザインの出願後に一部改良または変形したデザインを関連デザインとして出願できる期間を基本デザインの出願日から1年以内に制限

(2) 新規性喪失の例外主張の趣旨及び関連書類を提出できる時期を出願日から30日、又は拒絶決定あるいは登録決定通知書の発送前まで等のように限定的に規定

(3) 優先権主張のための方法、手続等も主要国に比べ厳格に制限、等

2023年 5月 25日付で国会を通過したデザイン保護法一部改正案は、上記内容を次のように改めた。

(1) 関連デザインの出願期間を基本デザインの出願日から3年以内に拡大して、後続デザインの適切な保護を通した企業のデザイン競争力強化を図る

(2) 新規性喪失の例外主張の趣旨及び関連書類の提出時期を規定した手続条項(第36条第2項)を削除して、時期を問わずに新規性喪失の例外の適用を受けられるようにすることで、登録デザインが新規性の擬制を受けられず侵害／無効訴訟等の紛争で新規性喪失を理由にデザイン権者に不利に判断されることを防止する

(3) 条約優先権主張期間を正当な事由により守れなかった場合には、該当期間を2ヶ月延長可能とし、また、条約優先権主張をした者は、出願日から3ヶ月以内に優先権主張を補正または追加できるよう条約優先権主張要件を緩和して、主要国の法制との釣り合いをとる

今回のデザイン保護法の改正は、正当な権利者の権利保護を強化する一方、企業の効果的なデザインポートフォリオ管理の支援が可能になったと評価されている。

上記改正デザイン保護法は政府に移送され公布から6ヶ月が過ぎた日から施行される予定だ。