Lee International

特許審判院は、レーザ材料(lasing material)が有機物であるレーザー装置に関する本特許発明が引用発明1～3に比べて進歩性が認められると判断して、当該特許出願に対する拒絶決定の取り消しを決定しました。

本決定において、特許審判院は、特許発明と引用発明はフォーカス機構に関する構成において相違しているというLee Internationalの主張を認めました。具体的に、Lee Internationalは、本特許発明は、OLEDから放出された光をレーザ装置上に焦点を合わせて配置したフォーカス機構を限定しているが、この構成について審判部は引用発明１にはこのフォーカス機構に対応する明示的な記載がなく、引用発明1に引用発明2の基板の形状に関する構成を採用する理由もないことから、仮に引用発明1及び2を組み合わせるとしても特許発明のフォーカス機構を実現することができないと認めました。さらに、審判部では、引用発明1及び2の組み合わせから特許発明のフォーカス機構を導き出すためには追加的な工程の努力を伴うべきであるが、このような追加的な努力が通常の創作能力の範疇に属するとは認め難いと判断しました。

本事例は、種々の引用発明を組み合わせて特許発明の進歩性を判断する場合、ただ特許発明の各構成要素に対する対応構成が引用発明に開示されているか否かを判断するに止まらず、引用発明に開示された構造と動作原理を共に考慮して、通常の技術者がこれらの組み合わせから実際に特許発明の構成を実現できるか否かまで判断した良い参考事例です。