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本事案の特許発明は、ウエハ搬送装置においてウエハの精密な位置補正を行うための新しいメカニズムを提案したもので、特許審判院（ＩＰＴＡＢ）は、該特許発明が引用発明から容易に導出できたものであるという理由で特許登録の取消しを予告しました。

特に、特許審判院は、特許発明の特徴的構成と同一の内容が引用発明に開示されていると指摘しました。

リ・インターナショナルは、引用発明を綿密に分析した結果に基づいて、特許審判院の技術説明会で、ｉ）引用発明が特許発明と類似しているものと思われる理由は、特許審判院が引用発明を事後的に考察したからであり、実際には引用発明には特許発明とは全く異なるウエハ位置補正メカニズムが開示されているだけである点と、ii）特許発明の出願前までの技術動向を考慮してみるとき、引用発明から特許発明が導出される動機付けがない点とを反論すると共に、ⅲ）特許発明と引用発明とをそれぞれシミュレーションしてみると、特許発明が提案するメカニズムによりウエハ位置補正を行う場合、理論上、位置補正成功確率が１００％に近いが、引用発明に開示のメカニズムによりウエハ位置補正を行う場合の位置補正成功確率は３３％を超えない点を数学的に証明しました。

その結果、特許審判院は、リ・インターナショナルの主張を受け入れ、特許発明の進歩性を認めました。

本事案は、特許審判院が事後的考察に基づいて誤った先入観を持っていた事案であって、ウエハ搬送に関する本技術分野において、リ・インターナショナルの明確な技術分析により特許審判院を成功的に説得したよい例示になります。